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ハイドロニューマチック(hydropneumatique)とは、エアスプリングと油圧シリンダー及び油圧ポンプを組み合わせた自動車用サスペンション機構の一種で、エアサスペンションの一種である。
名称は、液体(hydro)と気体(pnew)を組み合わせたシステムであるところに由来する。なお、hydropneumatiqueは本来フランス語であり、フランス語での発音を音写すると、「イドロプヌマティク」となる。
サスペンションを構成する機構の一部であり、一般的な金属スプリングのサスペンションのスプリングとショックアブソーバーの部分に相当し、双方の機能を併せ持っている。また、一般的なエアサスペンションとは異なり、気体(実際は窒素ガス)は密封されており、純粋にスプリングの機能のみを果たし、その他の機能は油圧シリンダーが受け持っている。その油圧シリンダーに掛ける油圧を加減する事により、荷重の変化に関わらず、車高を一定に保つ事ができ、車高の調整も可能であるが、そのためのポンプが必須である。
サスペンションのアームやリンクの配置とハイドロニューマチックとの組み合わせに特に決まりは無く、基本的には、どのような形式のサスペンションとも組み合わせ可能である。
フランスの自動車メーカーであるシトロエンが製造する多くの乗用車のサスペンションに採用された事で知られ、それに使われるポンプの油圧をブレーキやステアリングなど広範囲に応用した事でも知られている。
このほか、ロールス・ロイスやメルセデス・ベンツ、プジョーなども用いた事があるが、主として後輪の車高調整用など、サスペンション部分のみが用いられる事が多く、シトロエンのように広範囲に応用しているのはあまり例が無い。
自動車用以外にも航空機の降着装置などにも用いられる。
異色の例としては、陸上自衛隊の74式戦車と90式戦車のハイブリッドサスペンションが挙げられるが、この主目的は砲身制御である。